高木さんを殺したい
危うく声かけ事案になるところだった男、後藤海です。
高木さんが大嫌いです。
からかいが上手な高木さんが、大嫌いです。
心の底から、大嫌いです。
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生まれてこの方現実の人間を嫌いになったことがありません。
というか、嫌いになるほど人と関わったことがありません。
人目見て嫌いになるとか、第一印象で嫌いになるとか、そういったことも一切ありませんでした。
おそらく知らない人が怖いからだと思います。
そんなボクが嫌いになった少女が、高木さんでした。
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高木さんはとある漫画のキャラクターです。ボクはその漫画をぺくしべこみっくしゅで一話読んだだけですが、すぐさま嫌いになりました。
漫画自体は嫌いではないですし、主人公の男の子も割りと好きです。
でも、高木さんだけはどうしても好きになれませんでした。
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はじめ、ボクは自分の感情に戸惑いました。自身にわき上がってきた感情を整理できず、はじめての気持ちにただ混乱するばかりだったのです。
そうしているうちに気がつきました。
ああ、ボクは高木さんのことが嫌いなんだ。
気づいてからというもの、ボクの高木さんに対する憎悪は日に日にましてゆくばかり。今ではその命さえ憎いほどです。
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そんなわけで一言。
高木さん死なねえかな。